RSI(The Relative Strength Index)とは、価格の上昇の強さを数値化したテクニカルチャートです。一定期間の値動きに対して、上昇分の値動きが占める割合を算出します。
チャートの数値が一定の範囲(0~100など)で行ったり来たりする、いわゆるオシレーター指標の中でも、RSIは最もポピュラーなチャートの一つであり、FX取引でもよく使用されるチャートです。
日本語で相対力指数と訳されます。考案者は、テクニカル指標の父、米国のJ.W.ワイルダー。
RSIの計算式には2つのパターンがあります。次の例は、計算期間を14(日足であれば14日間)とした場合です。
RSI=A÷(A+B)×100
A:直近14本について、終値で前の足から上昇した値上がり幅の平均
B:直近14本について、終値で前の足から下落した値下がり幅の平均
1本目は、Aパターンと同じ計算式で算出します。
RSI=A÷(A+B)×100
2日目以降は修正平均を使用します。
RSI=A'÷(A'+B')×100
A':(前の足で計算したRSI×13+当日の値上がり幅)÷14
B':(前の足で計算したRSI×13+当日の値下がり幅)÷14
どちらも計算の対象期間の全体の価格変動に対して、上昇した分の値動きが占める割合を計算していますが、ワイルダーは修正移動平均を用いたBパターンでRSIを考案しています。日本では間違って概念が先行して伝わったためか、Aパターンが紹介されることが多いようです。
BパターンとAパターンを比較すると、前の足で算出したRSIを最新のRSIの計算に使う分、Bパターンの方がスムージングされた滑らかなラインを描画します。
RSIを使った判断で最も単純な方法は、70~80を買われ過ぎ、20~30を売られ過ぎの基準値として、相場の行き過ぎから反転が近いと予想する方法で、以下のように判断します。
しかし、この使い方のデメリットとして、買われすぎ・売られ過ぎの水準に留まり続ける現象が挙げられます。RSIは元々値動きの強さを数値化する指標であるため、大きなトレンドに発展する値動きでの初動では、トレンドの発生から初期段階でRSIが急激に反応することがあります。
このような場合は、RSIを逆張りのシグナルとして売買をしても、相場はなかなか反転せず、ポジションが踏み上げられてしまうことになるので注意が必要です。
相場の値動きが新高値や新安値を付けたにもかかわらず、RSIの方はその前後に高値や安値を更新できなかった場合、相場転換の可能性を示唆するRSIのダイバージェンス・パターン(逆行現象)として注目されます。
ダイバージェンス・パターンとは、ある程度値段が動いたことによってポジションの手仕舞いのための反対売買が増えたり、相場の天底が近いと予想して逆張りの新規売買が増大することによる値幅拡大が引き起こす現象で、トレンドの大転換のシグナルとなることがあります。
※RSIとローソク足との逆行現象を見るには、RSIの表示部分にトレンドラインを描画できる、FXブロードネットのダウンロード版取引システムをご利用ください。
RSIの分析方法には、相場の反転を予想して逆張りでの売買に利用する手法がよく知られていますが、トレンドの継続を示唆するシグナルとしてRSIのリバーサルシグナルがあります。
リバーサルシグナルは、隠れたダイバージェンス(Hidden Divergence)と呼ばれることもある様に、ダイバージェンス同様、値動きとRSIの逆行現象に注目します。
リバーサルシグナルは、前述の通りトレンドの継続を示唆してくれるシグナルです。
上昇トレンドを例にすると、上昇トレンドの途中で値動きは押し目を形成したものの、価格はトレンドの中での安値を更新せず、RSIの方だけがトレンド中の安値を更新。
下降トレンドでは、反対に、価格の高値とRSIの高値を比較してリバーサルを確認します。
もちろん、どの様なテクニカル分析にもダマシが発生しますが、RSIのリバーサルシグナルはトレンド途中の押し目の判断に有効な分析手法として知られています。
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