山中康司のFXボリンジャーバンド実践的手法
トラッキングトレードとは
トラッキングトレードとは自動売買の中でも「リピート系」と呼ばれる自動売買のひとつです。
EAと呼ばれる中身(売買ルール)の見えない自動売買と違い、リピート系の自動売買注文は、
一定の値幅で「買い→売りまたは売り→買い」を自動で繰り返すシンプルな仕組みです。
売買注文がいくらで買われて、いくらで売られたのかルールが明確なので、安心です。 操作も簡単で、トラッキングトレードで設定するのは、以下の4つだけです。
- 通貨ペア
- 売りか、買いか
- 想定変動幅(発注範囲)をどれくらいにするか
- 対象資産(運用資金)をいくらにするか
数あるリピート系注文の中でもトラッキングトレードの魅力は、 想定した注文の範囲を超えて相場が動いても、相場の方向に合わせて自動的に追尾してくれることです。 したがって、どのような相場の動きになっても、自動で売買を繰り返してくれる仕組みなので、 売買チャンスを逃すことがないということです。
トラッキングトレードの方向
トラッキングトレードでは、「買い」か「売り」の方向を間違えないことが重要です。 ではその「買い」と「売り」はどう判断すればよいのでしょうか?
山中流では非常にシンプルな判断基準を使います。使う足は「週足」だけです。そして表示させるのは期間20週のボリンジャーバンドです。 そして、買いの判断は週足の終値が陰線、陽線に関わらず2週連続して中心線(20週移動平均線)を上回る時です。
売りの場合は逆に陰線、陽線に関わらず、2週連続して中心線(20週移動平均線)を下回る時になります。
ボリンジャーバンドとは
ボリンジャーバンドとは、ジョン・ボリンジャー氏が考案したトレンド系のテクニカルチャートです。
このボリンジャーバンドによって分かるのは、相場のトレンド(方向性)とボラティリティ(価格の変動率)です。 そして、そのときの価格が高いのか安いのか、相対的な値段を示します。
これらのサインを読み取って売買判断に活かすのがボリンジャーバンドの基本的な使い方になります。 チャートでは中心線(単純移動平均線)の上下にσ(シグマ/標準偏差)を使って算出されたバンドを表示させたものになります。
ボリンジャーバンドは移動平均線より上側に+1σ、+2σ、+3σの線がひかれ、 下側には-1σ、-2σ、-3σの線がひかれます。価格が各バンド内に収まる確率は、±1σが約68.2%、±2σの範囲に入る確率は約95.4%、±3σの範囲に入るのは約99.7%です。
そして山中流で表示させるのは±2σのみとなります。この±2σを使ったサインの読み方については動画をご覧ください。
BANDWIDTHの活用
ボリンジャーバンドには様々な使い方があります。中でも代表的なのはバンド幅の形からトレンドを判断する方法です。
例えばバンド幅が広がっていけば、上昇、下降にかかわらずトレンドが発生することを意味し、 逆にバンド幅が次第に狭まっていればトレンドは収束に向かっていると判断することができます。 その一連の流れはボリンジャーバンドの形状ごとに次の4つに分けることができます。
- スクイーズ(バンド幅が狭い状態)→レンジ相場(もみ合い)
- エクスパンション(バンド幅の拡大)→トレンドの発生
- バンドウォーク(±1σと+2σの間で推移)→トレンドの継続
- ボージ(バンド幅の最大から縮小へ)→トレンド反転の可能性
これらのサインを読み取って売買判断を行います。 トレンド転換の前兆となるスクイズやボージの発見にとても便利なのが、
FXブロードネットの取引ツール(本番口座)に備えられている「BandWidth」というボリンジャーバンドのサブチャートです。
バンド幅が一目で分かるので、ご活用ください。
長期と短期
ボリンジャーバンド
ジョン・ボリンジャー氏直伝のボリンジャーバンドの使い方に、 長期と短期のボリンジャーバンドを重ねて表示させるという方法があります。
一般的にはあまり知られていませんが、とても簡単で、かつ信頼性の高いサインを読み取ることができます。 特に週足ではより的確なサインとして使うことができます。
短期のボリンジャーバンドは20期間、長期のボリンジャーバンドは50期間を同じチャート上に表示させます。 この場合は表示させるのは中心線(単純移動平均線)と±2σだけです。
ここで注目すべきなのは20期間と50期間それぞれの±2σがどう表示されているかです。 上昇トレンドの場合は20期間、50期間の+2σの線が重なって上昇し、-2σは乖離します。 逆に下降トレンドの場合は20期間と50期間それぞれの-2σの線が重なって下降し、+2σは乖離します。
サインの読み方はとてもシンプルで分かりやすいので、トレードに活かしてみてはいかがでしょうか。
FXブロードネットの取引ツール(本番口座)で長期と短期のボリンジャーバンドを表示できます。
BANDWIDTHと
長期と短期ボリンジャーバンドの実践方法
長期と短期のボリンジャーバンド、そしてBandWidthをチャート上にどう表示させるかについてご説明します。 次にこれらをチャート上に表示させた上で、長期と短期のボリンジャーバンドとBandWidthを使っていくつかの通貨ペアで実際にその使い方にを見ていきます。
動画では FXブロードネットの取引ツール(本番口座)で、使い方を解説していますので、ぜひご覧ください。
[動画でわかる]
ボリンジャーバンドを
6ステップで解説
ここでは、ボリンジャーバンドについて動画で解説しています。 全6ステップで山中康司がわかりやすく説明いたします。
1. トラッキングトレードとは
- シストレのメリット
- トラッキングトレードのメリット
- どのように取引したらよいのか
トラッキングトレードとは、どのようなものなのか解説いたします。
2. トラッキングトレードの方向
- 週足と移動平均線の関係
- ドル円週足と20週移動平均
- ポンド円週足と20週移動平均
トラッキングトレードを実際にどのように運用するのか解説いたします。
3. ボリンジャーバンドとは
- ボリンジャーバンドが示すこと
- ボリンジャーバンドの設定
- ドル円週足ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドの基本から設定の仕方などを説明しています。
4. BANDWIDTHの活用
- ボリンジャーバンドの形状
- 豪ドル円週足ボリンジャーバンド
- バンド幅でボージを確認
BANDWIDTH(バンド幅)の活用方法やスクイーズ、エクスパンションなどの用語も合わせて解説しています。
5. 短期+長期ボリンジャーバンド
- 長期ボリンジャーバンドの見方
- 豪ドル円週足50期間ボリンジャーバンド
- 豪ドル円日足50期間ボリンジャーバンド
短期と長期、2つのボリンジャーバンドの組み合わせをご説明します。
6. チャートで解説
FXブロードネットのチャートツールを使って実際に操作しながら解説いたします。
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【目次】
- 序章 FXの2つの誤解と現実的な利益目標
- 第1章 進化し続けるFX注文方法
- 第2章 トラッキングトレードの基本戦略
- 第3章 山中流ボリンジャーバンド活用術
- 第4章 山中流「トラッキングトレード」の基本戦略
- 第5章 山中流トラッキングトレード実証実験
- 第6章 応用編「ダマシ回避」と「リピート注文と裁量の併用」
著書の紹介
「着実運用で4年で10倍! ボリンジャーバンド×自動売買FX」
リピート注文で自動売買を活用している人のなかには勝率8割を超える人もいます。
また、ボリンジャーバンドを使って、トレンドを読み切り、投資することで勝率は格段に上がります。
本書では、この2つを組み合わせた最強の投資手法を紹介。
発行/クロスメディアパブリッシング 1,480円(税別)
山中康司
(やまなか・やすじ)
1982年バンク・オブ・アメリカに入行し、為替トレーディング業務に従事する。 1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャーに就任。 1997年日興コーディアル証券入社、1999年日興シティ信託銀行の為替資金部次長に就任。 その後、2002年アセンダント社設立・取締役。ボリンジャーバンドの考案者であるジョン・ボリンジャー氏とも親交がある。 著書に『DVDボリンジャーバンド ルールの設定とパターン分析の勝率』(パンローリング)、 『ど素人がわかるFXチャート&経済指標の本』(翔泳社、共著)『FXチャート分析マスターブックFXボリンジャーバンド常勝のワザ』 (実業之日本社)などがある。