「中長期の見通し」ドル/円相場のトレード戦略
最新のウィークリーレポートはこちら(2017/1/10)(PDF)
デイリーレポート
先週のドル/円相場は、週初に117円台半ばの高値をつけたものの、11日に行われたトランプ次期米大統領の記者会見で経済政策などの詳細について言及しなかったことや保護主義的な通商政策に対する市場の懸念が強まり、ポジション調整的なドル売りが優勢な展開となり一時昨年12月8日以来となる113円76銭まで下落しました。
ただし、週末に発表された米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値の1年先の期待インフレ率が12月の2.2%から2.6%に上昇し、5年先の期待インフレ率が前月の2.3%から2.5%に上昇したことなどを受け、米長期債利回りは下げ止まり、リスク回避的なドル売りは一服し114円台半ばまで値を戻しています。
テクニカルで見ると、
一目均衡表の三役好転が崩れてきていることがわかります。
転換線が基準線を下回ってきており、遅行スパンも陰転しそうになっています。
昨年末のトランプ・ラリーが急激なものだっただけに調整の動きに意外性はありません。
しかし、トランプ次期政権については減税やインフラ整備などを重点化した景気刺激策への期待感は根強く残っており、単なるポジション調整だけではそれほど大きな下押しは見込めないものと思われます。
今週は、トランプ新大統領の就任を目前にし、景気刺激策への期待と保護主義的な通商政策への懸念との綱引きとなり、115円水準を中心とした保ち合いとなる可能性が高いように思われます。
※チャートは、ドル/円の
日足、
一目均衡表、
RSIを表示しています。