FX取引のコストとなるスプレッド。 (スプレッドの基本知識については「FXスプレッドとは?」をご参照ください。)
取引時のスプレッドから取引コストがいくらになるか計算方法を知り仕組みを学ぶことで、FX取引から生じる損益計算の理解も深まるでしょう。
FX取引でスプレッドからどのようにコストが発生するか、まずはクロス円の計算方法から見ていきましょう。
クロス円通貨ペア(円×外貨)の
取引コストの計算方法
米ドル円など、日本円と外貨との通貨ペアを「クロス円の通貨ペア」と言います。
例えば、米ドル円のスプレッドは「USD/JPY 0.3銭」というように表示され、FXの取引ツールでは以下のように「2wayプライス」でレートが提示されます。
Bid(売値)とAsk(買値)の差がスプレッドとなります。
Bid(売値) | Ask(買値) |
---|---|
110.000円 | 110.003円 |
このレートで売買した際の取引コストは、以下の通り計算します。
Ask(買値)が110.003円ですので、10,000通貨分の買い注文をする場合、必要資金は1,100,030円になります。
買いの後すぐにBid(売値)である110.000円で売る場合、1,100,000円で売却できます。
実際にはすぐに反対売買をしてしまうとスプレッド分のコストだけ損失が発生しますので、FX取引で上記の様な取引例はあまりありませんが、このFX取引でスプレッドから発生する取引コストは30円(0.003円×10,000通貨)となります。
FX取引でスプレッドから取引コストを計算するには以下の通りになります。
=スプレッドによる取引コスト
外貨同士(外貨×外貨)の
取引コストの計算方法
ユーロ米ドルなどの外貨同士の通貨ペアでスプレッドから取引コストを計算する場合、計算式の最後に日本円への換算が必要になります。
まずは外貨建ての取引コストを計算してから円換算するという仕組みです。
例えば、ユーロ/米ドルの為替レートが以下のよう提示されているとします。
Bid(売値) | Ask(買値) |
---|---|
1.20000 ドル | 1.20003 ドル |
さらに円価レートが1ドル=110円とした場合、10,000通貨の取引で発生する取引コストは以下の通りです。
上記のスプレッドから取引コストを計算する数式に当てはめてみます。
0.3ドルが今回のFX取引におけるコストとなります。
この米ドル建ての取引コストを円換算すると、以下のようになります。
スプレッドによる取引コストは33円となります。
上記の例の様に、スプレッドが0.3銭である場合、10,000通貨の取引に掛かるコストはたったの30円です。
FX取引は他の金融商品と比較して取引コストが安く、複数のポジションを操りながら売買価格を調整したり、機動的に損切り決済をしてトレードの軌道修正を図ったりできるのが魅力です。
しかし、いくら取引コストの単価が安いといっても取引回数が増えるほど取引コストは積み上がっていきます。1回30円の取引コストも、100回の取引では3,000円になります。
長く取引するほどスプレッドの差は無視できない金額となりますので、スプレッドが低い有利な取引条件を選ぶことがFX取引の成功の第一歩となるでしょう。