トラッキングトレード
トラッキングトレードは、相場に追随してリピート型注文を自動発注していく注文をする、自動売買ツールのひとつです。
自動発注の設定というと難しく感じる方もいらっしゃるかと思いますが、設定する操作はいたって簡単です。 注文方法は、設定別損益ランキングを使って簡単に注文できる「ランキング注文」と設定内容を自由に組み立てることができる「任意設定」の2通りがあります。
「任意設定」から自由な設定で注文する
トラッキングトレードを注文するときに、最初に表示される画面は「設定別損益ランキング」です。
画面の左下にある「任意設定画面」ボタンから設定画面を開きます。
ここからはトラッキングトレードの設定画面の各項目を決める際の考え方をご紹介します。
トラッキングトレードは、注文設定をすると一定の間隔で注文を発注していきます。
そこで、なるべく値動きの安定した主要な通貨ペアの方が適していると言えるでしょう。
また、トラッキングトレードは、取引回数が比較的多くなる取引です。通常は、FX取引の主要通貨ペアを選んだ方がスプレッドも低くなりますので、コスト面でも有利と言えるでしょう。
トラッキングトレードは、相場の大きな流れに逆らって取引を続けない限り、こまめに利益をコツコツ積み上げてくれます。
取引ツールでFXチャートをざっと確認し、値動きの方向性から通貨ペアを選ぶのもよい方法です。
・トレンドが続いている通貨ペア
(上向きなら「買い」設定で稼働)
チャートを表示して上に向かっている相場は、上昇トレンドが形成されている可能性が高いです。
トラッキングトレードでは、「買い」設定で収益を狙います。
・トレンドが続いている通貨ペア
(下向きなら「売り」設定で稼働)
チャートを表示して、下に向かっている場合、下降トレンドが形成されている可能性が高いので、トラッキングトレードでは「売り」設定で収益を狙います。
・横ばいのレンジ相場が続いている通貨ペア
チャートから方向性が全然わからないということなら、恐らく方向感の無いレンジ相場の可能性が高いです。レンジ相場なら、トラッキングトレードは売りでも買いでも利益のチャンスがあります。
トラッキングトレードを始めるのに、複雑な相場予想は不要です。
過去数か月くらいの期間で大きな方向感さえ分かればよいので、日足チャートなど期間の長いチャート足で確認いただくことをお奨めします。
対象資産は、トラッキングトレードでいくらぐらいの金額を取引に使うか決める項目です。
トラッキングトレードは、取引中に同時に複数のポジションを保有することがありますので、対象資産は余裕をもって口座資産の50%~70%程度にすることをお勧めします。
例えば、買いの設定を稼働中に値動きが上昇していく場合、一定間隔の値上がりごとに保有ポジションは決済されて利益が確定します。 この場合は、保有しているポジションが決済されるごとに利益が積み上げられ、決済されたレベルで次のポジションを新規保有するという繰り返しで、保有するポジションの数も増えず心理的にも余裕を持って取引できるでしょう。
反対に、保有ポジションが追加され保有するポジションが増えていくのは、値動きが反対方向(買い設定で値下がり方向)に動いている時です。
相場が反対方向に向かって動いていても、スタート時に設定した想定変動幅の中でレートが変動している限り、この反対方向への値動きは利益を生み出すポジションを仕込んでいく値動きです。
想定変動幅は、トラッキングトレードの設定項目で一番重要です。
想定変動幅によって、トラッキングトレードが現在レートからいくらまで自動注文を仕掛けるか注文する値幅が決まります。
トラッキングトレードでは、予想外の値動きで損切りが執行されないように、想定変動幅は狭すぎないことが重要となってきます。
想定変動幅を決める際に重要なことは、値動きが現在レートから損失方向へ向かった場合にどこまで注文を続けるかを決めることです。
決め方のポイントは、自分に都合よく想定するのではなく、過去の値動きを参考にすることなどがあります。
過去の値動きからどの様に想定変動幅を決めていけばよいか、いくつか目安をご紹介します。
ここでは、チャートを使って値動きの振れ幅から想定変動幅を決めていく方法をご説明します。
想定変動幅を広く取りたい場合は、チャート上の過去の値動きから高値と安値の値幅を取ります。
目安として数か月(日足)~1年(週足)くらいの期間で高値と安値を探すとよいでしょう。
高値から安値を引いた値幅を現在レートからの想定変動幅として利用すると、より広く想定変動幅を設定できます。
過去につけた高値や安値の水準はサポート/レジスタンスとなって、値動きを折り返し、狭いレンジで横ばい相場に移行することが期待できるポイントといえます。
はっきりとした横ばいの変動レンジが確認できるのであれば、レンジ幅を想定変動幅として設定するのもよいです。
ただし、この場合も比較的狭い想定変動幅になりますので、レンジからのブレイクが起きていないかこまめな確認が必要です。
以上、ここでは、想定変動幅の決め方についていくつか例をご紹介しました。
この通りに設定しなければいけない訳ではありませんが、設定方法として参考にして頂ければ幸いです。
想定変動幅を決定すると、対象資産内で保有できる注文件数が導き出されます。
想定変動幅と対象資産が入力されると、システムが自動計算によって注文件数を算出します。
注文間隔の最小単位は10pipsと決められていますので、注文件数は最大でも想定変動幅÷10となります。
トラッキングトレードは、値動きの小さな揺らぎからも利益の獲得を狙う取引です。
注文間隔は狭い方が利益獲得のチャンスが広がりますが、一方で想定変動幅を無理に狭くしてしまうと損切りのリスクが高まります。
注文間隔が10pips~数十pipsであれば、トラッキングトレードの手法のメリットを活かした取引が可能となります。
反対に注文間隔が100pips以上開いてしまうと、こまめに利益を積み上げるトラッキングトレードのメリットを実感するのは難しくなります。
注文間隔が開いてしまう原因は、想定変動幅に対して対象資産が少なすぎることです。
この場合は無理に稼働しようとせず、資金の追加や通貨ペアの変更等で適した設定を探してみてください。
リピート型の注文手法とは、あらかじめ買う値注文間隔は、一定間隔で発注されるトラッキングトレードの新規注文の執行レートの間隔です。
新規注文が指定レートで約定すると、そのままポジションの間隔となります。
注文間隔は直接設定する項目ではなく、トラッキングトレードを設定することによって結果的に決まる項目です。
トラッキングトレードを稼働させる直前の設定確認画面に表示されますので、稼働前に確認しておきましょう。
トラッキングトレードを稼働させたら、定期的に稼働状況を確認してそのまま取引を継続するか確認が必要です。
できれば一日に数回程度はレートを確認することをお勧めします。
・稼動の継続を判断する目安
稼働状況の確認の際、トラッキングトレードの注文内容の中で1つ覚えておくと便利な方法があります。
それは、損切りが発生する水準でトラッキングトレードを管理する方法です。
損切りは想定変動幅の値幅いっぱいまで損失方向へレートが動いた水準で発生します。
トラッキングトレードは、値動きに合わせて想定変動幅が移動しますので、同時に損切りの水準も変動します。
定期的な稼働状況の確認の際は、その時の損切り水準と現在レートの2つを確認する様にしましょう。
現在レートが損切り水準に近づいている場面では、運用停止か、継続かを決める重要な判断基準となります。
トラッキングトレードは損切りが発生しなければ、こまめな利益確定でコツコツと利益を積み重ねていきます。
レートが損切りの水準に近づいていなければ、急いで停止を考える必要はありませんので、損益状況等を見て確認は終了です。
・含み損の考え方
トラッキングトレードを稼働させた後、初めのうちはポジションが抱える含み損に不安を感じるかもしれません。
特に保有ポジションの数が増えてくると、それまでに追加されたポジションにすべて含み損が発生しています。
一つひとつの含み損は金額が小さくても、合計額を見て取引を続けるべきか迷ってしまうこともありそうです。
トラッキングトレードは、値動きの可能性がある価格レンジを想定変動幅として設定し、基本的にその内側でレートが変動している間はコツコツと利益の積み上げを狙える注文方法です。
注文設定時には更に対象資産を決め、均等に配置しておく注文の件数や間隔を決めていきます。
この時点でポジションに生じる含み損の合計額も必要資金として計算に含まれています。
当初のトレードプランに従えば、想定変動幅の範囲内に値動きがある間は、原則として取引を継続することが合理的です。
取引中に抱える含み損は、値動きが行ったり来たりする間に利益確定のチャンスを待つポジションに発生しています。
トラッキングトレードの損益は、決済して損益が確定した実現損益と保有中のポジションに発生している含み損の合計額です。
損益ランキングは、様々な設定のトラッキングトレードの実際の売買結果を実現損益順に並べたものです。
損益順に表示したなかから、ワンクリックで登録画面までジャンプすることができます。
・設定別損益ランキングから注文する
トラッキングトレードの注文設定を開いたときに表示される画面です。
一覧から選ぶだけで、すぐにトラッキングトレードを始めることができるので、FX初心者でも簡単に取引をスタートできます。
表示されている実現損益は過去の実績値です。
将来の損益を約束するものではありませんので、開始前に確認した方がいいことが2つあります。
・売り買いの方向性はあっていますか?
値動きの大きな方向感が設定と合っているか(「買い」⇒上方向、「売り」⇒下方向)方向感のない横ばいの値動きなら、売りでも買いでも利益のチャンスがあります。
中長期の運用をイメージしているなら、選択した通貨ペアの大まかな値動きをなるべくチャートで確認しておきましょう。
・想定変動幅が狭すぎませんか?
狭すぎる想定変動幅は、損切りの可能性が高くなります。
損益が同じくらいで稼働期間が同じ、通貨ペアや売り買いも同じ設定は、どちらを選ぶべきでしょうか。
この様な2つの設定は、おそらく注文間隔もほぼ同じ値幅となっていることが多いです。
この場合、選んだ方がいいのは
想定変動幅が広い方が、損切りの発生するレートが現在のレートより遠くなりますので、長く稼働させて利益の積み上げを狙える可能性がより高いからです。
トラッキングトレードは、スタートするよりも停止する方が難しいと感じる方も多いと思います。
特にうまく利益を積み上げてきた設定をタイミングよく停止させるのは至難の業と言えるでしょう。
相場状況から停止を判断すべきケースをいくつかご紹介します。
・損切りが執行された場合
損切りの水準が近づいていたり既に執行されていたりする場合は停止を検討するタイミングです。
トラッキングトレードは、レートが想定変動幅いっぱいまで動いてきた際に、一番遠いレートに保有しているポジションを損切りします。
トラッキングトレードは、自動注文の継続を優先して想定変動幅での損切りを執行しますが、当初の想定を見直す意味で停止するポイントと判断できる水準です。
・相場が大きく転換した場合
当初に想定した相場環境が大きく変化した場合、このまま同じ設定で稼働を継続してよいか判断が必要です。
トラッキングトレードは、レンジ相場では保有ポジションの件数を抑えながら利益を伸ばすチャンスがあります。
また、上昇トレンドでの買いの設定や下降トレンドでの売りの設定では、トレンド方向へ利益を伸ばしながら小さな波動でもコツコツ利益を積み上げるチャンスがあります。
ただし、相場が大きく転換してしまうと、積み上げてきた利益以上の損切りが連発する恐れもあるため早期に検討が必要です。
特にトラッキングトレードの売り買いと値動きの方向が、反対向き(買いの設定で下落基調、売りの設定で上昇基調)になってしまった場合は、早めの停止で挽回に備えるタイミングとなります。
停止方法と停止後のポジションの対処についてご説明しましょう。
・停止方法
トラッキングトレードの停止は、トラッキングトレードの照会画面から行います。
稼働中の設定を選択し、削除ボタンをおしてください。
トラッキングトレードを停止した場合、停止した設定に関するすべての新規注文が取り消しとなります。
保有中のポジションに決済注文は付与されていませんので、ご自分で決済が必要になります。
停止と同時にすべての保有ポジションを決済したい場合は、ポジション一覧画面より決済の操作をお願い致します。
トラッキングトレードは、狭い値幅をコツコツ利益に変えていく注文方法なので、できるものなら短期間で停止するのは避けたいところです。
実際に利益を出している方は、どのような設定で運用しているのでしょうか。
トラッキングトレードで利益を出している方の80%(※)の方の設定内容は
以下の内容で設定されています。
※本番口座において、2014年10月15日から2018年12月31日までに設定したトラッキングトレードを対象に算出しています。